それを聞いた瞬間思考が停止。







「………あー、うん。わかった」







はっと我に返ってやっと出た声は驚くほど素っ気ない声で、自分でも驚いた。
自分から花莉に"溜め込んでることがあるなら言ってほしい"なんて言ったのに。最低なことをした。









家のこと、花莉には話していない。
今まで話すタイミングなんていくらでもあったのに。







「…俺の母親と兄貴はさ、もう他界してんだ。ごめんな。今まで話さなくて」








花莉は涙目のまま首をふるふると横に振った。








「…無理に聞きたいわけじゃないの……」







ぎゅっと花莉は俺を抱きしめてくれて、俺はその優しさに甘えてそれ以上は何も言わなかった。











本当は話すべきなのに。




















家のことや、葉月のこと…







詩優side.end