「ありがとうございました!」
康さんにお礼を言ってから車をおりて、エレベーターへと乗る。
そこでふと思い出したことがひとつ。
思い出したこと。それは何かって…?
…カードキーを部屋の中に置いてある、ということ。
詩優といつも一緒にいるから私が使うこともそうそうない。そう思っていつも持ち歩いていないんだ。
……どうしよう。
部屋の扉の前で待つ、のがいいのかな……
どこかのお店に行くのもありだけど…それだと詩優が帰ってきた時に私が部屋にいなかったら心配かけちゃうかも……
けれど、寒くなってきたこの時期に部屋の前で待つという考えはどうかなとか思ってしまう。
エレベーターが最上階へとついて、降りた時茶髪ロングヘアを綺麗に巻いている女性と目が合った。
黒いロング丈のワンピースがとても似合っていて、大人の女性。
その女性が私に気づくと、天使のような笑顔で「花ちゃん久しぶり~!」と手を振って小走りでこっちへと向かう。
以前、あったことがある詩優のお姉さん。朱里(あかり)さんだ。



