「…冬樹くんのこと……昨日初めて怖いって思った………本当に怖かったの…
でも…やっぱり………私は冬樹くんのこと嫌いにも…大っ嫌いにもなれない」
冬樹くんは立ち上がって、私に何かを言おうとしたがそれを制するように私は話し続けた。
「……私も冬樹くんにちゃんと謝らないといけないの………
冬樹くんの気持ちに気づいてあげられなくて…ごめんなさい。私は、詩優が好きだから…気持ちには答えられない……
あと最後に…
鳳凰と雷龍の抗争で私が捕まった時、助けてくれて本当にありがとう」
冬樹くんはただ私を見つめたままポタリと涙を流す。
涙をハンカチで拭いてあげようとしたが、ハンカチはさっき自分で使ってしまってそのまま部屋へと置いてきてしまったことを思い出した。
どうしようかと思っていると、ぐいっと体を引き寄せられて思いっきり抱きしめられる。
「…冬樹く…っ」
「…これで最後にするから……」
ひどく震えている声。
冬樹くんのこんな声を聞いたのは初めてだ。
「……謝るのは俺の方なのに…」
「…冬樹くんはもう充分謝ってくれたよ……だから…もう大丈夫」
「……本当にありがとう…花………」



