ピタリ、と動きを止める冬樹くん。 「……ごめん。花」 冬樹くんは、私の拘束を解いて体を離す。そして、玄関へと向かいガチャっと外へ出ていく音がする。 外は雨が降っている音と雷がなっている音が聞こえるのに…… 私は引き止めようにも怖くて体が動かなかった。 嵐の夜 私は、冬樹くんが兄ではなかったのだと思い知らされた。