佐倉遊馬くんは陸上部ハイジャンプ選手。

実力もあって何度もおおきな大会で優勝している。


わたしは遊馬くんが、高く飛ぶ姿が大好き。
長い手足で助走をつけて、バーをいとも簡単に飛び越えてしまう。
そのあとに
遊馬くんは、いつも笑顔でうれしそうにする。
まるで、小さい少年のように。

そんな愛おしい姿をいつもこの部室から見ているのも、
もう・・三年目になる。




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ひとつひとつ備品を確認しながら
画材の整理をしていると

がらっと扉があいて遊馬くんの姿が見えた。

180センチくらいある長身で
顔も小さくて
均整のとれたスタイルで
ストイックに着ている制服姿とか
髪の毛は染めてはいないのだけど、もともと明るめの栗色で・・
目鼻も整ってて
笑うと目がなくなるところとか
えくぼができるところとか
言動が紳士的なところとか
いつも優しいところとか
本当に大好き。



「待たせてしまいましたね。・・・・ゆらら?」

ぼーっとつい見とれていたら遊馬くんが怪訝そうな顔で私を見ていた。

「ご、ごめんね。遊馬君に見とれちゃった」

「..........:」

遊馬くんが口元を手で覆って横を向いた。

「ゆらら、そういうのは反則ですよ」

ギュッて抱きしめられて耳元で囁かれた、

「だって、、本当の事だもん」
わたしも負けずに遊馬くんの背中に手を回してぎゅっと抱き締める。

「ゆららは、そういうとこ天然すぎ...です」

遊馬くんはおひさまのにおいがする。
こうしてぎゅってされると安心する。

遊馬くん
大好き・・


「ゆらら。おなかすいていませんか?帰りに駅前にできたカフェいきましょう」
「うん」


私のスクールバックもさりげなく持って、空いた片手を私に差し出してくれる。

その手をぎゅっと握り一緒に歩き出した。




このときのわたしは
このまま
ずっと
遊馬くんの隣に入れると信じて疑わなかった。