冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました

「東京に帰ったら連絡して欲しいな。君のこと気に入っちゃった。タイプなんだよね、本当だよ」

「懲りない人ですね」

「うん、僕って案外打たれ強いから。君のビンタもクセになりそうだ」

私が短く息を呑むと、佐々岡さんはクスクスと笑って肩を震わせた。もちろん東京に帰っても連絡なんてするわけないし、これが最後と祈るばかりだ。

「私、お金持ちでイケメンだけど不誠実で遊び人の人より、ブサメンだけど真面目で仕事のできる人がタイプなんです」

もう会うこともないんだし、このくらい言ったっていいよね。

そう言ってのけると、佐々岡さんとそれを聞いていた安西部長まで一緒に目を丸くした。

「まいったな、安西も苦労しそうだ」

「はぁ? 何のことだ?」

「まぁね、そのうちわかるって、じゃあ失礼するよ」

最後にもう一度笑って佐々岡さんは私と安西部長を背に、ヒラヒラと手を振って、その場を後にした。