たぶん、安西部長にとって佐々岡グループにいたことは一番突かれたくない過去なのだ。
「あ、あの! 安西部長! もう行きましょう。それでは失礼します!」
これ以上佐々岡さんにいいように言われている彼を見ていられなかった。きっと安西部長は、人に言えない悩みや弱みをひとりで抱え込んでいる。
私がなんとかできる問題じゃないかもしれないけれど……。
佐々岡さんと別れ、とにかくこの場から離れようと無理矢理に安西部長の腕を引っ張ってエレベーターに乗り込むと適当にボタンを押した。
「どこに行く気だ?」
「えーっと、わかりません」
安西部長はまだ苛立ったような顔つきをしている。まるで猛獣を宥めているみたいな気分だ。ポンという電子音と共に扉が開かれると、静かなBarカウンターのあるフロアにたどり着いた。
「せっかくだし、少し飲み直しませんか?」
そう明るく提案してみると、意外にも安西部長は「そうだな」と小さく笑った。
「さっきは、取り乱して悪かったな。みっともないとこ見せた。はぁ、恰好つかねぇ、胸糞悪い」
安西部長はウィスキーロック、私はカシスオレンジをそれぞれ注文する。
「あ、あの! 安西部長! もう行きましょう。それでは失礼します!」
これ以上佐々岡さんにいいように言われている彼を見ていられなかった。きっと安西部長は、人に言えない悩みや弱みをひとりで抱え込んでいる。
私がなんとかできる問題じゃないかもしれないけれど……。
佐々岡さんと別れ、とにかくこの場から離れようと無理矢理に安西部長の腕を引っ張ってエレベーターに乗り込むと適当にボタンを押した。
「どこに行く気だ?」
「えーっと、わかりません」
安西部長はまだ苛立ったような顔つきをしている。まるで猛獣を宥めているみたいな気分だ。ポンという電子音と共に扉が開かれると、静かなBarカウンターのあるフロアにたどり着いた。
「せっかくだし、少し飲み直しませんか?」
そう明るく提案してみると、意外にも安西部長は「そうだな」と小さく笑った。
「さっきは、取り乱して悪かったな。みっともないとこ見せた。はぁ、恰好つかねぇ、胸糞悪い」
安西部長はウィスキーロック、私はカシスオレンジをそれぞれ注文する。



