冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました

「お前が一度は好きになった男のことをあまり悪くは言いたくないが……あいつは最低なクズだぞ」

同じ男としてこのくらい言ってやったってバチは当たらないだろう。すると、大倉は後悔しているというように視線を落とした。

「初めは仕事がやりづらくなるんじゃないかって私のためを思って言ってくれたんだと思ってました。けど、本当は全然違う理由で……私、馬鹿みたいですよね」

一瞬、くしゃりと顔を歪めて無理やり笑う大倉はやっぱり強がりだ。けど、俺はそんな彼女が愛おしくてたまらない。

「俺は違うぞ」

「……違うって?」

「俺はオープンな性格だからな、お前と付き合ってるって社内メールで社員全員に報告してもいい。なんなら懇親会のときに檀上で直接発表してもいいぞ?」

すると、大倉は唇を痙攣させながらみるみるうちに真っ赤になって恥ずかしそうに顔を伏せた。
ああ、やっぱり可愛いな。

伏せる顔を上に向かせて口づける。彼女の唇は甘く、そして柔らかい。「絶対幸せにする」なんて言葉よりも、こうして繋がっているほうがいい。

社内メールはさすがに大げさだったか?

けど、正直俺は隠し通せる自信がない……。

そんな心配をしていると。

「……嬉しいです。そう言ってくれて。だって、安西部長のものになったんだって、実感できますから。私、やっと幸せになれる気がします」

意外な答えが返ってきて彼女を見ると、大倉ははにかみながら嬉しそうに満面の笑みを浮かべていた――。 END