「安西部長、それは私だって同じですよ? 会社から出れば私は部下じゃありませんし、安西部長のことが好きで好きでたまらない……ただの女です。それに……」

本当はこんなことを言うのは恥ずかしくてたまらなかったけれど、私の覚悟をわかって欲しくて膝の上からスカートを握りしめた。

「き、今日の……下着は、黒……なんです」

今にも消え入りそうな蚊の鳴く声で言うと、安西部長が目を丸くする。そんな意表を突かれた顔をされるとますます妙なことを口走ってしまったのではないかと思わされて「やっぱり何でもないです」と慌てて訂正したくなる。

「まったく、お前は……そういうの反則だぞ」

「すみません……」