身体の芯を揺るがすように甘く耳元で囁かれ、思わずぶるっと小さく震える。そして、安西部長の唇を切なく見つめて小さく頷くと、そっと両頬を包み込まれて上に顔を向かされた。すでに熱のこもった瞳の奥には欲情の色が滲んでいるようで、彼も私を欲しているのだと思うとゴクリと喉が鳴った。
「俺のマンションに来るか?」
それは“お前を抱くぞ”と同義の言葉だ。けれど、拒否する理由もない。安西部長と交わしたキスで身体に灯された火は、もう消せなくなっていた。
「……はい」
端整な顔が笑みをかたどる。それはたまらなく私が好きな顔だ。普段はどことなく自堕落的な雰囲気が漂っている安西部長だけれど、真摯に私を見つめる瞳の奥に一瞬で色香が立ち上がる。そしてそれが野性味を増してくると、思わず怯みそうになる表情の下で、私はわずかな期待を滲ませずにはいられないのだった。
「俺はひとたび会社から出れば部長でもお前の上司でもない。馬鹿みたいにお前のことばかり考えてるただの男だ」
だから本当に抱いちまうぞ?と念を押されているようだった。マンションへ着いた途端に怖気づいてやっぱり帰るなんて言うと思われているのだろうか。
「俺のマンションに来るか?」
それは“お前を抱くぞ”と同義の言葉だ。けれど、拒否する理由もない。安西部長と交わしたキスで身体に灯された火は、もう消せなくなっていた。
「……はい」
端整な顔が笑みをかたどる。それはたまらなく私が好きな顔だ。普段はどことなく自堕落的な雰囲気が漂っている安西部長だけれど、真摯に私を見つめる瞳の奥に一瞬で色香が立ち上がる。そしてそれが野性味を増してくると、思わず怯みそうになる表情の下で、私はわずかな期待を滲ませずにはいられないのだった。
「俺はひとたび会社から出れば部長でもお前の上司でもない。馬鹿みたいにお前のことばかり考えてるただの男だ」
だから本当に抱いちまうぞ?と念を押されているようだった。マンションへ着いた途端に怖気づいてやっぱり帰るなんて言うと思われているのだろうか。



