冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました

そんな表情にすらときめいてしまう自分を隠すように、私は睫毛を伏せた。けれど本心ではもっと刺激が欲しくて、きゅっと安西部長の手を握った。

「どうした?」

安西部長は察しがいい。どうした?なんてわざわざ聞かなくたって、わかってるくせに。

彼ともっと深いところまで繋がりたい。けれど、それを口にするにはまだ理性が邪魔をしてうまく言葉にならない。うずうずして訴えかけるように彼を見つめると、安西部長はハァと長いため息をついた。

「まったく、なんて顔してんだ」

「え?」

困ったような表情で私を見つめたかと思うと、頬に唇を掠めて肩口に顔を埋めた。

「安西部長、好きです……大好き」

そう言うと、背中に回された手に力がこもる。

「俺はもう好きを通り越して愛しちゃってるけどな、お前のこと」

ぴったりと密着した胸からドキドキと跳ねる鼓動が交差する。こうして私の気持ちに応えてくれるのが嬉しくて、じんとなる。

「なぁ、誘ってるって思ってもいいのか?」