冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました

「ずっとお前がこの手に落ちてくるのを待ってたんだ。顔に似合わず健気だろ?」

「安西部長に健気なんて言葉は似合いません」

「ほんと、生意気なやつ……」

少し目をあげたら視線が絡んでどちらからともなくキスをした。柔らかく折り重なり、互いの唇の隙間から掠れた声が漏れる。

「ん……っ」

唇が、吐息がひどく熱い。横抱きに肩を引き寄せられ、徐々に深みを増す口づけに戸惑いはぁはぁと息が上がる。

「なんだこのくらいで……花火大会のときみたいな子どもじみたキスで満足してんのか?」

「そ、そういうわけでは……」

「大人の本気はこんなもんじゃない」

一瞬、獣のように目がぎらっとしたかと思うと、その表情を見定める暇もなく唇を奪われた。無防備に開いていた唇の隙間から舌をねじ込まれてぴくりと肩が震える。

「んんっ」

これまで経験したことのない感覚に、肉厚な彼の舌を大人しく受け入れるのが精一杯だった。こんなとき、大人の女性ならもっと情欲的に応えるだろう。けれど、さほど経験のない私は中学生じみた反応しかできなくて恥ずかしい。