冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました

ひと通り喋った安西部長は手元のウィスキーグラスを傾け、ゴクリと喉を鳴らしてそれを飲んだ。

喉仏が上下に揺れると、妙な色気に動悸がする。顔に熱を持っているのはお酒のせいだと思いたいけれど、否定すればするほど胸が高鳴ってくる。

「私に惚れてるって……本当ですか? 私の気持ち、受け入れてくれるんですか?」

ぎくしゃくしながら尋ねると、安西部長が私のほうへ身体を傾けてくる。それがあまりにも自然な仕草で、あっと思ったときにはもう、お互いの鼻先が触れ合うくらい近くに彼の顔があった。

アルコールと安西部長の匂いを色濃く感じて心臓が跳ね上がる。

「どんなに仕事でミスをしても愚痴ひとつ言わずに歯を食いしばってるお前に、目が離せなくなってた。ああ、泣き顔なんて最高にそそられるな」

「そんな……そそられるだなんて、変態みたいですよ」

「変態? 男はみんな変態だ。俺にとって“変態”は褒め言葉だな」

声を押し殺して笑い、拭った涙の痕を安西部長は愛おしげに何度も撫でた。

「いつの間にか特別な感情でお前を見てたんだよ、自分でも気づかないうちにな」

照れくさそうに気持ちを白状されると、私まで気恥ずかしくなって行き場に困った視線をうろうろとさせる。

「……早くあんな不甲斐ない男なんかと別れちまえって思ってた」

「えっ、じ、じゃあ……私と柊君が付き合ってたこと……ずっと前から……んっ」

驚いて顔をあげた瞬間、その先は恥ずかしいから言うなと言わんばかりにいきなり唇を塞がれた。ほんのり香るウィスキーと甘いキスの味にくらくらと眩暈がする。