冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました

安西部長の気持ちも考えずに、自分の想いを一方的に押し付けてしまったのだ。といまさら気がついて、胸の底からひたひたとやるせなさが染み出してくる。見ると安西部長は少し俯いていて、女性の気持ちに答えられないときの申し訳なさそうな男の顔をしていた。

「軽率……だったな、俺は」

傷ついた心のまま、ぼんやりと安西部長の輪郭が歪んだ。瞬きをしたら何かがこぼれてしまいそうで瞼に力を入れていると、ふと、彼の言葉尻に引っかかりを覚えて目を瞬かせる。

ん? 今、俺は……って言った?

なんか、話が噛み合っていないような……?

「あの……」

「失恋して間もないのもあるが、自分の本能のままに部下に手を出すなんてな……己の軽率さに正直呆れて困ってる」

ようやく安西部長は私に顔を向け、眉尻を下げて弱り顔で笑った。

「ち、違います! 軽率だって言ったのは、私のことで――」

「俺は……お前に惚れてる」

一体、彼は何を言っているのだろうかと頭が混乱する。