冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました

目を見開いて驚くと、安西部長は人差し指を自分の唇にあてる。

「まだ誰にも言うなよ? よく頑張ったな。プランのみならずホテル全体の改善を直接専務に提案するなんて、お前もなかなか言うじゃないか」

あのときは専務に自分の考えを伝えたい一心だった。けれど、そんなふうに改めて言われるともしかして出過ぎた真似をしたような気もする。

「主任確定……ほ、ほんとですか?」

「ああ、これからビシビシいくからそのつもりでやれよ? 主任になったら主に俺のサポートに回ることになるが……期待してる。お前となら俺も安心だ」

嬉しすぎて、これが夢なのか現実なのかの区別もつかなくなってくる。じわっと熱くなる目頭を慌てて抑えると、私はうんうんと何度も頷いた。

「これからも頑張りますので、よろしくお願いします」

ああ、ついに私……主任になれるんだ。

安西部長とさらに距離が縮まったような気がして、しばらく仕事の話や他愛のない会話をする。そして一旦話の区切りがついたところで三度目の正直で告白するならこのタイミングしかない……と覚悟を決め、息を吸って口を開いたものの、私は息をつめたまま言葉を発することができなくなった。

なぜなら、今までやんわりと穏やかな表情を浮かべていた安西部長の顔にスッと陰りが射したからだ。

「……大倉、実はな」