冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました

ドキドキしながらすでに腰を下ろしている安西部長の横にちょこんと座る。意外にシート幅が狭くて必然的に安西部長と距離が近くなった。

「緊張すんなって、顔強張ってるぞ?」

「き、緊張しますよ! だって、こんな素敵な場所で安西部長と、デ、デートだって思ったら……」

これって完全に恋人同士の空間だよね?

ぎゅっと握りこぶしを両ひざに押し付けていると、安西部長は「ふぅん」と鼻先で笑った。なんか大人の余裕を見せつけられているようでムッとするけれど、安西部長から放たれる大人の男性フェロモンに私はすでに麻痺しかけていた。

好きなものを注文したらいい。そう言われたものの、私のいつもの食欲は緊張で吹っ飛び、とりあえず生ハムやチーズの盛り合わせ、身も心もすっきりさせるために爽やかな口当たりのダイキリを頼んだ。しばらくすると、逆三角形のカクテルグラスの縁にレモンの輪切りが飾られたダイキリ、そして安西部長のウィスキーロックと軽食が運ばれてきた。

「仕事抜きでお前と一度ゆっくり話がしたかった。外野がうるさいと大事な話もできないからな。とにかく乾杯だ」

カチン、とグラスを合わせると耳に心地のいい音が響く。

「……大事な話?」

「ああ、さっき専務と話をしていたって言っただろ? お前の主任昇進が確定した」

「えっ!?」