「あっはは、まったく……お前は最高だ」

声を立てて笑いながら安西部長が私の腕を取り、そして力強く抱き寄せた。

「安西部長……?」

「お前のそういう勝ち気な性格、たまらないな……」

額になにか柔らかくて温かなものが押し付けられる。一瞬、何かわからなかったけれど、それが彼の唇だと気づいたときにはもう抱きしめられた身体は離されていた。

「早く着替えろ、朝から妙な気分になるだろ」

「え?」

見ると、浴衣は着崩れ大きく開かれた胸元からは谷間が覗いていた。「ひッ」と短く息を呑んで合わせ目を引き寄せると、じわじわと羞恥心で真っ赤になる。

安西部長の馬鹿、どこ見てるのよ……。

よし! 会議が今日と決まったのなら、まずは美味しい朝食を食べて力をつけなきゃ!
腹が減っては戦ができぬってね。