冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました

「……深読みし過ぎかもしれないが、これはちょっとした嫌がらせだな」

「嫌がらせ……?」

嫌がらせって、一体誰に? どうして? なんのために?

頭の中に次々と浮かぶ疑問詞に徐々に混乱していく。冷静になってしばらく考えを巡らせていると、もしかして……という可能性が浮かんだ。

「岡崎専務は……私が柊さんと付き合っていたことを知っていたんですね。自分の息子の婚約者と寝取った男の元交際相手をも疎ましいってことですか?」

すると、私の洞察に安西部長が目を瞠った。その反応を見て、彼も私と同じことを思っていたのだと悟る。

“坊主憎けりゃ袈裟まで憎い”とはこのことだ。けれど、憎まれるどころか私はむしろ二股をかけられた被害者だ。

岡崎専務が内密にしていた健一との交際をどこでどうやって知ったのか、もしかしたら健一の素性を調べるために探偵でも雇って、そのときに私のことまでわかってしまったのかもしれない。無理なスケジュールを組んで、安西部長まで巻き込み困らせようとしている。

憶測に過ぎないけれど、もしそうだとしても……。

「その嫌がらせ、受けて立とうじゃないですか!」

ベッドから立ち上がり奮起して拳を握ると、しばらく目が点になっていた安西部長が噴き出した。