冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました

「安心しろ。俺が支配人と視察した件は要点だけまとめておいたから、調整して報告書に後で書き加えておいてくれ。報告書も確認したから大丈夫だ、ちゃんと会議に出せる仕上がりだった」

「ほんとですか? あぁ、よかった」

「それにしても成長したな、初めは書類に日付を入れ忘れるくらいドジだったやつが……」

またダメだしされるんじゃ……なんて身構えていたから、思わぬ安西部長のお褒めの言葉に肩透かしを食らう。時間がないのに「やり直し」だなんて言われたらどうしようなんて思っていたけれど、どうやら杞憂に終わったようだ。

「……とは言え、あんまり悠長なこと言ってられない事態が起きた」

おおらかさの滲んだ柔らかい笑みがスッと消え、険しいものに変わると、ダメだしされなかった安堵のひと息が途中で切れる。

「さっき岡崎専務から電話がかかってきて、企画部との合同会議が今日の午後一時からになった」

「え……? き、今日!?」

思わず前のめりになって、ベッドの上から転げ落ちそうになる。

嘘でしょ? 今日終わったばかりの視察報告会議が今日って……どういうこと?

通常、視察を終えた週に報告書のまとめをし、そして翌週に会議という流れというのがうちの会社では一般的だけど、何かがおかしい。

納得のいかない私の顔を見て、安西部長も心中を察するような表情を浮かべている。

「岡崎専務から電話がかかってきたということは、その会議に専務も同席するってことですよね?」

私の主任昇格がかかっている会議だ。岡崎専務がいてもおかしくない。けれど、なにか引っかかる。