冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました

悶々としながらもペロリとケーキを胃に収めると、安西部長がポケットから小さな包み紙を私に差し出した。

「これ、なんですか?」

それはキーホルダーなどをお土産で買ったときに入れてもらえるような柄のついた袋だった。

「開けてみればわかる」

そう言われてごそごそと中身を開けてみる。

「わぁ、綺麗なブレスレットですね!」

「今日、帰りにガラス工芸の店に立ち寄ったんだ。まぁ、誕生日に仕事で何もないっていうのも味気ないしな」

ブレスレットを袋から出して手に取って見る。それは透明の粒に青いガラスが混じっていていかにも夏っぽくて可愛らしい。照明に反射するとキラキラと煌めいて、まるで太陽の光に輝く海の水面のようだった。

「プレゼントまでいただいて……ありがとうございます。大切にしますね」

私は早速それを左手首につけてみた。

「似合ってるな。直感だけど、お前は青が似合う」

「そ、そうですかね?」

今まで青なんて全然意識していなかった色だ。ピンクとか黄色とか暖色系に偏りがちだったけれど、安西部長に似合うと言われ、新たな自分を見つけたみたいで斬新な気持ちになった。

今度から青色の服とかも着てみようかな……。

アクセサリーは大抵ネックレスを身に着けることが多い。こうして見ると、なんだか自分の手じゃないように思えて不思議だ。

嬉しい! 嬉しい! どうしよう……ドキドキする。

まさかプレゼントなんてもらえるとは思ってもみなかった。誕生日のとき、今まで何人の女性にプレゼントしたんだろう?なんてことが一瞬頭に過ったけれど、浮かれた気持ちがそんな野暮な疑問も吹き飛ばしてしまった。

「ほら、食ったら行くぞ、花火大会に遅れる」

いつまでもブレスレットに見惚れている私に、安西部長はぶっきらぼうに言って席を立つ。

「ありがとうございます」

満面の笑みでもう一度お礼をすると、安西部長はなんだか恥ずかしそうに顔を背けた――。