冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました

夜の帳が降りかかり、辺り一面オレンジ色から藍色に染まっていく。私はそれに気づくことなく、一心不乱にパソコンに向かっていた。

よし! できた! んー、我ながらいい仕上がり……。

画面右下の時刻を見ると、すでに十八時。あっという間に食事の時間だ。

安西部長遅いな……。

そう思ってスマホを手に取ったそのとき、ちょうど彼から着信が入った。

「もしもし? お疲れ様です」

『お疲れ。すっかり遅くなっちまったな。今、ホテルから少し離れた場所にいてあと三十分くらいしたらそっちに戻る。お前は先に夕飯行ってくれ』

どこから電話をかけているのかわからないけれど、車の走る音や人の話し声が聞こえてきてどうやら外にいるようだ。

「私も仕事が少し残ってるんで部屋で待ってますよ、あ、食堂で待ち合わせますか?」

『いや、さすがにこの格好で食堂には行けないだろ、俺だけ浮きまくりだ』

そういえば、安西部長は今スーツ姿のはずだ。そんな恰好で観光客だけの食堂に行くなんて違和感がある。

『じゃあ、いったん部屋に戻るから少し待ってろ』

「わかりました」

早々に電話は切れ、私は安西部長の帰りを部屋で待ちながら、報告書の見直しに視線をパソコンへ移した。