冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました

会社をクビになる覚悟もしていたけれど、『正直危なかったが、結果オーライなんだ、気にすんな』と言って笑ってくれたのは、安西部長だけだった。

何気なく始末書に目を通していると、自分が書いた枚数よりも一枚多いことに気づく。見ると、最後のページは安西部長が自ら書いたフォローの文書だった。

調査結果の確認不足による私の責任であり――。

と添えられている文章に目を瞠る。

『大倉、始末書を書いたら専務に出す前に一旦俺を通せ』

そう言われて直接専務に提出するつもりだった始末書を安西部長へ渡した記憶がある。

もしかして……専務から何もお咎めがなかったのは、安西部長が一筆書き加えたフォローのおかげだったの?

クビにならずに今までやってこられたのは、安西部長が私を守ってくれていたから? ああ、そんなことも知らずに私は――。

改めて思い知らされる自分の無力さにいまさら情けなさがこみ上げてきた。

安西部長は仕事に厳しく、苦手だ。なんて、とんだ思い違いだった……。

そうだ、ここでめげてちゃいけない。頑張って安西部長に認めてもらえるような仕事をしよう!

私は両頬をパンパンと叩いて気合いを入れる。そして、ふとスマホの画面に映し出された今日の日付を見てとあることに気づいた。

あ、そういえば今日は私の誕生日だったんだ。仕事のことで頭がいっぱいだったからすっかり忘れてたよ……。