元姫は辛くても笑う


確かにな……今までなら、ご飯食べるの誘っただけで拒否られるからな。


「仲良くしてあげてね!」


下川がにっこり笑う。
そう一言残して屋上から出ていった。
……なにか掴めない笑顔。
分かりずらいな……。


「莉子もだけど下川さんもわかんないよね。」

「掴みどころがありません。」

「莉子"は"好き………」


すげぇ強調するな……『は』を。
にしても、


「軽い。」

「え?何が?」


可愛い顔をして首を横にする。
それに俺は答えるように莉子に目線を移す。


「莉子が?」

「おう、30キロの米より軽い。」

「「「「え」」」」


莉子がもたれかかってきてからずっと抱えてるけど、全然疲れない。むしろ、軽すぎて持ってる気がしない。


「……ご飯食べてるかな………。」

「食べてないかもな。」


紫音と光希が心配してる………レアだな。
こいつら、人に無関心すぎるからな。


「莉子の事です。なにかきっと抱えてるのでしょうね………。」

「………スーッ……スーッ」


寝息、可愛いな。顔を近ずけて見る。
まつげ長いな………、肌も綺麗。
なんだか、改まってみると人形みたいだな。
そう思いながら見ていると、、、
光希が手を出してきた。


「……近すぎ。」


少し怒りを混じえた声に少し驚く。
………まさか、