元姫は辛くても笑う


「絶対に裏切らないって、誓う?」


裏切らないって………。
そんなの当たり前の事じゃないか。
でもその瞳は先程のようには揺れていなく、
本気だとわかる。
そんなの………


「約束する。俺は絶対に裏切らねぇ。」


そう俺が言う。
すると、少し泣きそうな顔をした。
その顔にびっくりした。
何せ、莉子はそんな顔を見せたことがない。

その顔を見入っていると、
すっと、俺にもたれてきた………、
というより倒れてきた。


「おっ……?!」

「え、何何〜莉子。祐飛好きになっ……」

「いえ、断固として寝てます。」


その太一の声に驚いた。
なわけないと思う………
が、そんなことなくほんとにそのよう。


「……?……なんで…寝てる?」

「……きっと、心を許したの。」


横から声を出す下川。
正直に言うとあまり好かない。


「なら、僕らは信用されてなかった訳?」


そう考えると酷いな……


「逆に言えば、信用されましたよ。」

「まぁ、俺は信用出来るやつだからな。」

「紫音がいちばん信用されてないよ〜」

「……」


光希が無言で頷く。
2人に言われてる………。
さすがに可哀想だな。今だけは同情する。


「こんな、無防備に寝るんだな〜♪」

「まぁ、ガードきつかったのにな‪笑」