元姫は辛くても笑う


「下川としか居ないんだろ?」

「えっ?……うん。」

「じゃあ、莉子"も"入るよな。龍火に」


えっ?
ちょ、今の話を聞いてたのかな?
私真美としかいないって言ったじゃん!


「入んないよ。私。」

「なんで?下川龍火入ったけど。」


ドクリッ


私の耳を疑った。
………真美が、龍火、に?
顔から血の気がなくなっていくよう。


「どういうこと?」

「だから〜下川さんとしかいないって言ったでしょ?だから、入れたの〜」


にっこりと笑顔で言う、紗由。
それに目の前が真っ暗になる感じがする。


「なんで、え?嘘っ………。」


急いで真美を見る。
すると、真っ直ぐ私を真実が見つめる。


「皆、莉子を大切にしてくれそうだよ?」

「………」


私をまた、1人にしたいの?
みんなが喋ってるけど私に声が届かない。
友達奪って………


「莉子?」

「っ……」


体を揺すられて、祐飛を見る。
目線なんて全然合わないけど。
しっかりと、目を合わす。


「お願い莉子、一緒に入ろ?」