青いレモネード色の……男の子?

作り物めいた美しさじゃない、本物だ。


どこか儚げな印象を与える容姿。こんな綺麗な人を忘れるはずがない。忘れるはずがないのだがーー。


「……昔、朱鷺子さんに世話になったんだ。だから、ここへ来た」


おばあちゃんの名前……?


驚きを隠せないでいると、柔らかく微笑みーー。


「おれの名前は久遠。ここに置いてくれ」


この一言が、夜明けの始まりだったーー。