足をペダルから離しても、自転車のスピードははやくなるばかり。
涼しくて、きもちいい。
何人もの人の横を、勢いよく通り過ぎていく。
「あらっ、びっくりした」
「おいおい、気をつけろよ」
町の人たちの声なんて、なんのその。
僕はぐんぐんと駆け下りる。
髪の毛が風に、思い切り逆立つ。
「危ないわよ、やめなさい」
「止まれよ、迷惑だぞ」
みんな、このきもちよさを知らないんだ。
いまにも空に飛び立ちそうな、この感覚。
ぼくだけが感じている、この心地よさ。
くだればくだるほど、町は目まぐるしく移り変わる。ヒュンヒュンと、景色は猛スピードで過ぎ去っていく。
ヒュンヒュンヒュンヒュン
浴びる風の音に混じり、怒った声も聞こえた。
僕に注意しているようだけど、またたく間に通り過ぎていく。坂を駆けおりる。
そろそろ、ふもとも近づいてきた。
けれど、この勢いを止めるつもりはない。なにせ、きもちがいいのだ。
まるで、僕自身が風になっていくかのような。
大通りが、目の前へと差しかかる。
涼しくて、きもちいい。
何人もの人の横を、勢いよく通り過ぎていく。
「あらっ、びっくりした」
「おいおい、気をつけろよ」
町の人たちの声なんて、なんのその。
僕はぐんぐんと駆け下りる。
髪の毛が風に、思い切り逆立つ。
「危ないわよ、やめなさい」
「止まれよ、迷惑だぞ」
みんな、このきもちよさを知らないんだ。
いまにも空に飛び立ちそうな、この感覚。
ぼくだけが感じている、この心地よさ。
くだればくだるほど、町は目まぐるしく移り変わる。ヒュンヒュンと、景色は猛スピードで過ぎ去っていく。
ヒュンヒュンヒュンヒュン
浴びる風の音に混じり、怒った声も聞こえた。
僕に注意しているようだけど、またたく間に通り過ぎていく。坂を駆けおりる。
そろそろ、ふもとも近づいてきた。
けれど、この勢いを止めるつもりはない。なにせ、きもちがいいのだ。
まるで、僕自身が風になっていくかのような。
大通りが、目の前へと差しかかる。