霊媒師の異名は「裏の殺し屋」であった。
殺し屋、という存在自体が裏のものなのに裏の殺し屋だなんて、入りくんだ異名である。

ときの権力者であろうが、スーパースターであろうがお金さえ払えば、構わず引き受けてくれて、口出しはしない、と聞いていた。

けれども、私が早苗の写真を渡すと不安そうな顔で「いいのかい、本当に?」と聞いてきた。
霊媒師の反応に少し戸惑いはしたものの、私はこくりとうなずいた。

いいに決まっている。
早苗には、死んでもらわなければ。

そして彼女は、死んだ。
せいせいする、はずだった。
だったのに……。
死ぬのは、彼女だけでよかったのに……。