しかし、少女はふるふると首を横に振る。



「イヤだね。君の死は、なんだか中身が無さすぎて薄っぺらいもの。それに天国か地獄か、どちらに送るか判断しづらいしさ」


そして、僕っ子閻魔サマは笑顔でとんでもないことを言い出した。



「ねぇ。もう1回、死んでみる?」


「はぁ? 何言って……」


「君が死んだ今日、10月5日をもう1度、いや、あと数回、繰り返してみようよ。きっと面白いことになりそうだ。うん、そうしよう」



「おい、勝手に決めんじゃねぇよ! 俺は、」


「死んでもいいやと投げ出すくらい、もうどうでもいい日だったんでしょう? なら何回繰り返そうが別にどうってことないじゃん」


コイツ、言ってることがめちゃくちゃだ。



「違う目線で死んだ日を見てみたら、きっと面白いよ。ささ、そうと決まればレッツゴー!」


開いた口を塞げる間もなく閻魔大王の分身とやらに腕を掴まれた俺は、光が点滅する彼方へと勢い良く身体を投げ込まれた。



「おい、ちょっと待っ……うわぁぁぁぁぁぁ」