ストン、という感覚から目覚めた俺は、キョロキョロと辺りを見回す。 見慣れた自分の部屋で座り込み、手には携帯が。 「あれ、ここは……」 携帯の画面に目をやると、優子宛にメッセージを作っている。 そうか、喧嘩して彼女が出て行ったすぐ後に戻ってきたのか。 ぐっと唇を噛み締め、今後一生揺らぐことの無い決意を固める。 「俺はもう、逃げないぞ」 携帯を放り投げ、俺の足は全速力で、マンションのロビーにいる優子の後を追いかける。