大病院の特別室。

静かに眠る社長。

幸いに自発呼吸は出来てるようで、あとは本人次第と。

打撲と右手の捻挫はあるものの、意識さえ戻れば退院させてもらえるらしい。


久しぶりに見た顔が病室だなんて、、、


「社長、、、ごめんなさい。私のせいで、こんな、、、」


「あなたのせいではないですよ。自分を責めないでください」

「寺川さん、、でも、、、」

「私が戻るまでいてくださいね。会社に連絡してきますので。」

「はい」



それにしても、病室まで無駄に広いって、、、

本当、どこまで贅沢する気ですか。


「、、、経費で落としたら駄目ですからね。寺川さんに念押しますよ。社長、早く起きてください。ねぇ、、、早く起きて、嫌味のひとつや二つ言ってよ、、、」


ドアが開く気配がして振り向くと、豪華な花を持った女の人がいた。

手ぶらで、すっ飛んで来た自分が居たたまれない。