社長、、、

どうして、、、?



契約を反故にされて、会社からも社長からも逃げたのに。


なのに、ずっと私のために動いてくれてた?


泣きそうになるのを我慢して、何度も息を吐いて吸ってを繰り返した。


「佐野さん、今どこです?迎えに行きます。」

「、、、はい。、、、いま、出先で、、、グランシードホテルの近くです。」

「今そこに行きますから。私もちょうどその近辺にいたので。」

「はい、、、お願いします。」


電話を終えてから、小森さんへ連絡を入れた。

急用が出来たから早退するとだけ。


社長、、、社長、、、

お願い、、、


ただ、必死に祈るだけしか出来ない。



犯人は誰なのか、寺川さんは教えてくれなかった。

公にもしない。

そう言うってことは、身近な人の仕業なのだろう。