社長になりたかった訳じゃない。

継ぐことは元々決まっていたこと。


社長就任が決まったとき、告げられたのは理不尽な条件。

"結婚すること"

相手は俺の意思とは無関係に突き付けられた。


いざとなれば提携して支援する為に、ライバル社の令嬢と政略結婚。

今どき古くさいだろうが。


「結婚相手くらい自分で決める」

「駄目だ。これは社長就任の条件だと思え。」

「はあ?なんだよそれ。勝手に決めるなよ」

「これは父親としての話じゃない。会社を守るためだ。お前に選択肢などない。」

「、、、くだらねぇ。」

「社長としての自覚を持て。婚儀は秋だ。あと半年以上ある。準備は自分達でやれ。話は以上だ。」



冗談じゃない。

んなこと、承知出来るかよ。