"好き"

というフレーズだけが都合よく抜粋されて、脳内を木霊する

バカ、、、

なに、こんなことでときめいたりしてんのよ。


「も、もういいですから、早く行きますよ。」

「なんだよ、つれないなー。」

なんて、ちょっと不貞腐れた横顔にまた、ドキリとさせられてしまう。

なんか、今日ダメだ。

私服を見たから?

手料理食べたから?

分かんないけど、でも、一旦冷静になろう。

いつもの私を取り戻すんだ。

でも、、、

でもさ、、、社長の運転て、、、

しかも、腕まくりなんかするから、その仕草にまたドキドキして、真剣な眼差しにきゅんとする。

どこを見ていいか散々泳がせた視線は、結局外に向けた。

「おい、ボケッとしてんな。着いたぞ。」

「あ、はい。すみません」

だいぶトリップしてた思考を、急いで引っ張った。