自分の支度を済ませて、社長の支度を待つ。

着替えてくると言って寝室に入ること5分。


「よし、行くか」

私服、、、いい。


初めて見たかもしれない。


黒のニットにベージュのパンツ。

シンプルなのに、オシャレに見えるのは小物使いが上手いせい?

時計も、ネックレスも、眼鏡も仕事のときとは違う。


「なんだ。そんなに見られると襲いたくなるんだが?」

「あ、ちがっ、別に見てないです。」

慌てて否定するも、思いっきり目を逸らしたせいで益々怪しまれた。


「ふーん。なぁ、ちょっと顔あげて。」

「な、なんですか?」

「今日は髪、アップにしようか」

なんの躊躇いもなく、後ろから髪をかきあげると、目の前に鏡を差し出す。

素直にそれを受け取る私。

「ほら、この方が俺は好きだけど。」

髪を持ち上げたまま、耳元に顔を寄せてきて、鏡を通して目が合う。