俺にだけ、打ち明けた本音。

誠次のことも………友達のことも………話せた。

俺には

泣き顔や弱さも見せてしまっているから……。

お兄ちゃんとしての俺を、欲しているのなら……………

やっぱり当分は、そのポジションでいてやろう。

そう心に決めかけていたら…………

「私は……。
えっと……………ね。
あの…………」と、なんとも言いずらそうな様子。

「昨日の夜、二人に『春人さんと付き合っているんでしょ?』と言われて
びっくりしたの。
おまけに『まだ気づいて無かったの??』って驚かれて……。
二人は私が『春人さんを好きなことに気づいてない』って
思ってるみたいなの。
私って……………
春人さんが、好きなのかな?」

はぁ~っ?!

それを、俺に聞く??

戸惑う俺に

「私が好きなのって…………誠ちゃんだよね??
春人さんは…………
お兄ちゃんだよね??」と追い打ちをかける。

本人が分からないことを………

俺に分かる訳がない。

昨日、赤くなった時に………

チャンス到来か?!なんて、甘い考えも浮かんだけど。

よくよく考えてみれば

誠次への恋以外、恋愛を知らない夏苗ちゃんの場合。

ただ単純に、ドキドキしただけとも受け取れる。