「――――ここさ、告白スポットなの、知ってた?」

宏太は俺に怒って良い筈なのに、穏やかな顔でそう言った。





――――俺が「落ち着かない」って言ったの傷ついて無いのか……?





「いや……、知らなかったけど。俺、この学園来てそんな経って無いからな」

「はは、まぁ、それもそうだな」

宏太はおかしそうに笑うと俺を真剣な顔で見て
「じゃあ、何で俺が萌衣をここに連れてきたか、分かる?」
なんて聞くものだから、頭にクエスチョンマークが踊ってしまった。

「軽音部の、ライブを見るため、じゃないのか?」

そのために、宏太はここに来たんじゃないのか?