ため息をついて、利則が持っていた看板で萌衣の頭を叩く。

「いってぇ！あ！さては兄貴、俺の方が腹筋割れてたの根に持って――――――いたっ？！」

ニヤニヤする萌衣に利則がもう１発看板で殴る。

「うるさい、黙れ。――――――あと、根にもってねぇ」

顔をそらして不機嫌そうに言う利則の様子からして、かなり根に持っていると思う。




「ハッハッハッ！トシ、ダサいな！――――まあ、そういうことだな」
宏太が笑いながら言う。

「その腹筋の話、すごく気になるんだけど？――――あぁ、そうだ、そこの君」
少し怖い顔をしながら誠が勝を振り返る。

「宏太、俺は根にもってねぇ。変なこと言うな。――――ってことだ、平古」
順に兒玉兄弟が勝を見つめる。