「――?!おい、何すんだ、離せ‼」

突然の事にじたばたともがいたが、男二人の力には叶わず抱きつかれたままになる。

「俺妹欲しかったんだよな‼」
「ああ、可愛すぎる…!」

俺に抱きつきながらそんなことを言う二人。

「可愛いって……、何の事だよ?」

この場に可愛いものなんて居なくて、俺は辺りを見回す。

すると、隣でクスクスと母親が笑った。

「萌衣のことを言われてるのよ?そうよね?」

面白そうに母親が聞くと誠がコクりと頷いた。

「えぇ、可愛い過ぎて鼻血が出そうです」

俺は誠の言葉に眉を寄せる。

「それ、本気で言ってるのか?」