勿論、トシも、誠もだ。なんせ、部長なんでな。

「えー、今日特別に練習に参加することになった俺の妹、兒玉萌衣だ。よろしくやってくれ。―――と、今日はクイックフットシューティングやるから」
「え、あれ、妹なの?男かと思った」
「俺も。普通にかっこよくね?」

妹に意識を向けさせないように間髪入れずに練習メニューを言ったのに、部員達は騒ぎ立てる。

「おい、お前ら…」

俺が注意をしようしたその時。
「まぁまぁ、皆騒ぎ立てないでよ。早く練習しよう?」

―――――誠が止めに入った。

「誠先輩だ」「誠先輩が来てる」

誠のおかげで、話の流れは妹から無事離れていった。