「そうか。私も萌衣ちゃんが娘になってくれてうれしいよ。ずっと欲しかったんだ」

親父はそう言うと、俺の頭を優しく撫でた。

大きく包み込んでくれそうな手に、どこかホッとする。

小さいときから親父が居ない生活を送ってきたから、恥ずかしいけど、なんか嬉しい。

「あ!父上よ、我が妹に勝手に触れるでない!」
「いくら父さんでも、僕の可愛い妹に許可なくさわるのはやめてもらえるかな?」

「あ、あぁ……、ごめん、二人とも」

育ち盛りの男子二人にすごまれてたじたじする親父。

いや、その前にだな……。









俺、この家の誰のものでも無いんだが……。