んー?ちょっと待てよ、なんか、俺のせいで喧嘩になってる?

どうすれば良いかわからない事態に目をうろうろさせると、親父と目があった。

親父は困った顔をして笑いながら言った。

「ごめんな、こんな兄弟で。萌衣ちゃんも、こんな息子達が兄貴になるなんて、たまったものじゃ無いよな」

親父の言葉にブンブンと首を振る。

「いや、兄貴ができて嬉しいよ!兄貴って響き良いよな!俺、スッゴい憧れだったんだよ‼」

そう、ずっと憧れだった。

俺の前を歩く、強くて頼れる兄貴の存在が。

だから、例え出来た兄貴がこんなだったとしても、ガッカリはしていない。