「それは、ほら僕、いろんな女の子とデートしてきたから、女子の気持ちを読み取るのなんてお茶の子さいさいだから」

あまり良いことでは無いと思うが、それが誠の特技なのだろう。

「萌衣にとって恋する事ってどんなこと?」

なんだ、急に。変な質問してきやがって。



「―――すげぇ、乙女、だなって。キラキラした別世界、みたいな。よく分からねぇけど」



好きなやつ見て胸が高鳴ったり、勇気だして告白したり、付き合い始めたら可愛い服着てデートしたり。

どれもこれも、全部俺には縁の無い話だ。

男みたいな俺には似合わない……。

「でも、萌衣はそうじゃない」