「お前、本当は疲れてるんだろ。見栄張ってるけど、動きが鈍くなってる」



―――――ばれてたか。



実は、さっき楼にはああ言ったけど、かなり疲れてる。

筋肉の疲労も半端ないし、かといって、サボってたりはしていない。

多分、男女の差。

分かりたくもないのに、嫌と言うほどわかってしまう。



「―――俺は、まだやれる」



「嘘を付くな。萌衣が倒れたら他の部員が心配するし、第一お前はどんなに練習しても大会には出られないんだから」

「…………」

トシの言葉に、心にズドンと臼が落とされる。

分かってる。そんな事。他の誰よりも。

女だから、大好きなバスケも、出来ない。