「えっ⁉」

何気なく聞いていただけなのに急に話を振られてびっくりする。



「――――ああ、いや……、これぐらい普通なんじゃない、か?」



「えー、萌衣ちゃんまでー?」

楼が残念そうな顔をする。

「三年が引退して数ヶ月経った今が大事なんだ。お前ら、気が抜けすぎだぞ?」

「へいへい」

楼は諦めたように頷くと、一気にペットボトルを飲み干した。



「――――しゃ、行くか」



楼が気合いをつけて、戻っていく。



「――じゃ、俺も行くか」



俺も楼に続いて立ち上がろうとすると、トシに手で制された。

「ん、何だよ」

いつもの意地悪かと思ってムスッとして言うと、トシは真顔で言った。