「はあ、体がぽかぽかしてきた」


「そうか、それならよかった」


佳穂は湯飲みのお茶を一口飲んで、ちょうど裏面になっているキャンバスを見て言った。


「今度は、どんな絵を描いてるの? 雪景色かしら?」


「う……、ん。まあ、そうだな」


「この季節はあまりお花も咲かないし、少し寂しいわね。」


「僕も最初はね、そう思っていたよ」


僕はゆっくりとお茶を飲んだ。
佳穂は僕の次の言葉を待つように、僕の顔を見た。