僕の庭

変なの、と佳穂は室内の奥に目をやった。


「今日はびわはどこ?」


「……死んだよ」


ひゅう、と佳穂が息を飲むのが分かった。


「夏の終わりにね。もう年寄りだったから」


「そう。そうなの」


佳穂はうつむいた。


「寂しいね」


「ああ。寂しいな」


僕たちはそれから会話もなく、黙ってもみじの木を眺めていた。