僕の庭

「ほら。冷えていて旨いぞ」


そっと枇杷の果肉を口に持っていくと、嬉しそうに喉をならして囓った。


「本当に好きなのねぇ」


佳穂がその様子を見て笑った。


「名前の通りだろう?」


果肉をあっと言う間に飲み下してしまったびわが、僕の手に残っている残り半分をせがんで鳴いた。


「はいはい、そんなに急がなくてもまだたくさんあるよ」