僕の庭

日が傾きかけ、西の空が朱色に染まりだした頃、さあぁっと雨が降り出した。


｢きゃ、大変｣


植木鉢の前に仲良く並んでいた佳穂とびわが、慌てて縁側に飛び込んできた。


｢こりゃ、天気雨だな。すぐ止むだろう｣


高い空から、キラキラと光を反射しながら雨が降っている。
遠くの方から、雨に降られた子ども達の矯声が聞こえた。
暑い中、急に降った雨は彼らにとっては気持ちのよいシャワーのようなものなのだろうか。
楽しそうな子ども達の、笑い声の混じった声が行き過ぎると同時に、雨も上がった。
。

後には雫のついた朝顔と、爽やかな優しい風が残った。


｢ふむ、今日はここまでにするか｣


｢そう。じゃああたしも帰るわ｣


佳穂はまたね、と言って、さっきの天気雨のように帰って行った。