僕の庭

「すごい生命力よね。きっと太陽まで届こうとしてるんじゃないかしら?」


「ふむ。そうか」


僕は何だか満足してしまって、くすりと笑った。


「あら、なぁに? あたし可笑しい事言ったかしら」


「いや、僕も同じような事を考えていたから」


「そうなの?」


「ああ」


佳穂はまんざらでもないような顔をして、ふふん、と鼻を鳴らした。


「おじさんも、少しは分かるようになったのね」


「何だそれは。……ん?」


いつの間に寄ってきていたのか、にゃあ、とびわが鳴いて僕の膝に飛び乗った。